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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻7号

1998年07月発行

文献概要

研究と報告

若年性アルツハイマー病の臨床的検討—26歳発症痴呆の1経験例を通して

著者: 小林淳子12 池田輝明1 村木彰1 千秋勉1 武田洋司2 本間裕士2 緑川由紀3

所属機関: 1市立小樽第二病院精神科神経科 2北海道大学医学部精神医学教室 3札幌医科大学神経精神科

ページ範囲:P.745 - P.751

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 【抄録】26歳時に記銘力障害を初発症状として発病し,診断的には若年性アルツハイマー病が疑われた若年発症痴呆の1臨床例を報告した。多彩な精神神経症状を呈しながら,比較的急速に経過し,発病後3年を経過した現在,失外套症候群の状態を呈している。画像所見上,臨床像の進行過程に対応した特徴的所見が認められた。MRIにて左側優位に側頭葉〜頭頂葉,海馬の萎縮および脳室の拡大が急速に進行し,SPECTでは左側優位に側頭頭頂部から後頭部にかけて脳血流が低下し,右頭頂部の一部を除いて脳血流の低下は著しく増強,全般化している。
 これまで若年性アルツハイマー病のMRIやSPECTを含む画像所見を経時的に追跡検討した報告はなく,本症例はこの点で貴重であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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