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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻7号

1998年07月発行

研究と報告

心的外傷と共依存—対人関係に反映される嗜癖的問題の世代間伝達

著者: 佐野信也1 中山道規1 後藤健文1 駒井秀次1 一ノ渡尚道1

所属機関: 1防衛医科大学校精神科学教室

ページ範囲:P.753 - P.760

文献概要

 【抄録】1精神科診療所を受診した891名の患者の自己陳述をもとに生育期の家族内外傷体験を調査した結果,男性83名(22.9%),女性129名(24.6%)が抽出され,その外傷が親のアルコール問題に関連するものは男性で42.2%,女性では27.9%あった。本人とその異性パートナーの嗜癖的問題を調べると,女性外傷例では男性外傷例より安定したパートナーとの関係を維持する者が多く,アルコール家族歴の有無および男女にかかわらず,本人に嗜癖的問題がある例ではパートナーも嗜癖的問題を保有する傾向が高かった。嗜癖的問題を有する患者の治療においては,患者が過去に曝された嗜癖的問題が,現在の対人関係の中で反復されている可能性を考慮した精神療法が重要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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