icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻7号

1998年07月発行

文献概要

研究と報告

遅発性アカシジア患者の覚醒時に認められる周期的な下肢の不随意運動について

著者: 水野創一1 堀口淳2 山下英尚2 倉本恭成3 日笠哲3 横田則夫2 山脇成人2

所属機関: 1医療法人大慈会三原病院 2広島大学医学部精神神経科 3広島静養院

ページ範囲:P.761 - P.766

文献購入ページに移動
 【抄録】遅発性アカシジアが持続していた精神分裂病の症例で,安静覚醒時に周期的な下肢の不随意運動が認められた。症例は34歳の男性で,幻聴や被害妄想,強迫観念などの症状に対して種々の向精神薬が投与されていたが,遷延性のアカシジアが持続し,そのために不安焦燥感や不眠を呈していた。本症例に終夜睡眠ポリグラフ検査を施行したところ,入眠前の安静覚醒時に,右長母趾伸筋に筋放電の持続が約0.8秒,最大振幅が約150μV,インターバルが約1.2秒のBabinski徴候の母趾の背屈および他趾の開扇運動に類似した周期性のある不随意運動が確認された。またこの運動は日中の安静覚醒時にも視察的に認められた。日中の覚醒時にこのような運動形態の不随意運動がみられたとする報告はこれまでにはなく,本症例は覚醒時のみ認められる“Periodic Leg Movements While Awake”とでも称される現象が存在することを示唆している。そこで,アカシジアや睡眠時周期性四肢運動障害との関連などについて考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?