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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻7号

1998年07月発行

文献概要

短報

Risperidone投与中に“awakening”現象を呈した精神分裂病の1例

著者: 堀正士1 白石博康1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系精神医学

ページ範囲:P.773 - P.775

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 Risperidone(risperdal®)は,1996年から臨床の場で用いられている,serotonin-dopamine antagonist(以下SDA)である。この薬剤は従来の抗精神病薬に比較して,精神分裂病(以下分裂病)の陰性症状の改善効果が認められており,また錐体外路症状などの副作用がほとんどなく,認知機能の改善をもたらす2)とされる。このため,服薬コンプライアンスを高めることができ,ひいては分裂病の長期予後の改善が期待されている。
 しかしその一方で,認知機能の改善が急速に起こるために,clozapineなどその他のSDAにみられる“awakening”という現象が生じる場合がある1)。今回我々はrisperidoneを服用中にこの“awakening”現象を呈した分裂病の1例を経験した。現在のところ国内での報告はなく,またrisperidoneの認知機能に与える影響を考える上で示唆に富む症例と思われたので,若干の考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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