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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻8号

1998年08月発行

研究と報告

終末期癌患者におけるせん妄の危険因子—Prospective study

著者: 森田達也1 角田純一1 井上聡1 千原明1 石本修2 久岡直子3 伊藤正也4

所属機関: 1聖隷三方原病院ホスピス 2現,東北大学加齢医学研究所腫瘍制御部門 3現,イエズス聖心病院みこころホスピス 4現,済生会宇都宮病院緩和ケア科

ページ範囲:P.823 - P.829

文献概要

 【抄録】我々は,終末期癌患者150名を対象とした355回の評価をもとに,せん妄の危険因子についてprospectiveに調査した。せん妄は全身状態が不良な場合に多く,せん妄を呈した場合の予後は不良であった。全対象では,せん妄群と非せん妄群において,呼吸困難・死前喘鳴・嚥下困難・口渇・浮腫・10以上の身体症状・オピオイド投与率・アルブミン・総ビリルビン・尿素窒素に有意差が認められた。また,多変量解析では,不良な全身状態,多い身体症状,オピオイドの使用がせん妄に関与していた。全身状態が著しく不良な場合で両群に有意差を認めたものは,オピオイド投与率のみであった。以上の結果から,終末期癌患者のせん妄に対する予防的介入の可能性について考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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