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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻8号

1998年08月発行

文献概要

シンポジウム 災害のもたらすもの—阪神・淡路大震災復興期のメンタルヘルス

阪神・淡路大震災が精神科診療所と利用者に及ぼした影響について

著者: 生村吾郎1

所属機関: 1生村神経科医院

ページ範囲:P.873 - P.879

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■はじめに
 兵庫精神神経科診療所協会(以下,兵精診)では,1995年1月17日の阪神・淡路大震災3か月後の1995年4月より,震災が精神科診療所と利用者に及ぼした影響について調査研究プロジェクトを発足させ,震災から5年間の継続を目標に現在も実施中である。
 調査研究の主題は,
 ①精神科診療所の被害実態と回復の過程
 ②震災前からの精神科診療所利用者に認められた震災の影響
 ③震災を契機に初めて精神科診療所を受診した利用者の精神医学的特徴
 ④震災が精神科診療所スタッフに与えた精神的影響
 の4点にある。
 ①〜③の調査研究は,半年ごとの定点観測アンケートと個々の診療所から報告される月別診療実績と新旧利用者に関するデータの集計から成っている。④に関しては30項目一般健康質問紙(GHQ 30)を使用した調査を実施している。
 以下,上記調査研究の中間集計結果を参考にしながら,震災後の精神医療上の諸問題について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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