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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻9号

1998年09月発行

研究と報告

頭部CT画像における脳溝のフラクタル解析—アルツハイマー型老年痴呆における臨床症状との関連について

著者: 廣田卓也12 野口俊文13 大橋嘉樹12 由利和雄12 石倉佐和子13 山本大輔12 青木太12 木下利彦2

所属機関: 1八幡青樹会病院 2関西医科大学精神神経科学教室 3滋賀医科大学精神医学講座

ページ範囲:P.959 - P.963

文献概要

 【抄録】アルツハイマー型老年痴呆(SDAT)患者14名を対象として頭部X線CTスキャンを施行し,CT画像上に認められた脳溝の形態についてフラクタル解析を行い,改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)から得られた臨床的重症度との関連を検討した。その結果,フラクタル次元(FractalDimension;FD)はHDS-Rスコア(HDSRS)=10.3を変曲点とする,下に凸な2次曲線に高い相関を示した。このことから,SDATにおける脳実質の変性は,その過程において,その機構に,ある1つの大きな変化を持つ可能性が示唆された。また,同時にフラクタル解析が十分な臨床的実用性を持ち,data reductionとしても優れた形態学的解析法であることを報告した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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