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研究と報告
文献概要
【抄録】 季節性感情障害の兄妹発症例を経験した。両者は治療前まで連続して秋冬期に抑うつ状態となり,活動性低下,易疲労性,過眠といった症状が目立っていた。治療には光療法を用いて良好な結果を得た。季節性感情障害には経過や治療反応性の異なる亜型の存在が指摘されている。また近親者の高い発症率から遺伝的背景について検討されている。今回報告した2症例は兄妹であり,臨床的特徴も類似していたため,本疾患の遺伝的要因を検討するうえで示唆的な症例と考えられた。遺伝的背景を有する亜型の存在について,今後さらなる症例の集積と研究が必要と思われる。
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