icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻1号

1999年01月発行

文献概要

研究と報告

一次性変性痴呆における痴呆症状の構造について—因子分析による解析

著者: 一宮厚12 山田尚吾2 田北昌史3 尾籠晃司2

所属機関: 1九州大学健康科学センター 2九州大学医学部附属病院精神科神経科 3今津赤十字病院精神科

ページ範囲:P.69 - P.77

文献購入ページに移動
【抄録】 アルツハイマー型痴呆(DAT)の痴呆症状の潜在構造を調べる目的で,主としてDATからなる一次性変性痴呆患者において,種々の症状評価項目に対する反応の関連を連関係数により検討し,さらに連関係数の大小に基づいて主成分分析を行った。対象は82名の軽度ないし中等度痴呆の患者で,症状評価には記憶,見当識,計算,注意,判断,言語,視空間機能,人格などに関する41の評価項目を用いた。解析の結果,9つの症状因子が得られた。これにより,痴呆症状は,記憶(近接記憶と遠隔記憶)の障害,言語の障害(失読失書と呼称障害),統合的認知(判断,計算,および注意力)の障害,それに人格(情意)の障害に関する症状群に分けられることが示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?