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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻1号

1999年01月発行

文献概要

短報

社会生活技能訓練が奏効した再燃と寛解を繰り返す慢性精神分裂病の1例

著者: 森内幹1 川端茂雄1 川端正義1 仁木繁1 井上和臣2

所属機関: 1敬愛会南海病院 2鳴門教育大学人間形成基礎講座

ページ範囲:P.89 - P.91

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 SSTは脱施設化の流れの中で,精神分裂病患者の社会復帰を助けるために,適切な対人行動がとれるように援助していく治療体系である9)。精神分裂病患者にとって社会的な適応機能が,その予後に大きな影響を及ぼすことが実証され,その生活技能を改善していくことにより社会的自立を促すことが可能となった。
 SSTは我が国において,まずデイケアなど外来を中心に実施され効果を上げた。その後,1994年4月の診療報酬改定時に,精神科専門療法として入院生活技能訓練療法が新設され,さらに入院患者にも広く行われるようになっている。我々も入院中の精神分裂病患者にSSTを行い,患者の持つ問題を解決して社会的な対応能力を高めてきた。この結果,対人緊張が減少し労働意欲が高まり,発病以来初めて就労ができた症例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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