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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻1号

1999年01月発行

資料

神奈川県における応急入院の実態

著者: 安井正1 村岡英雄1 中島節夫1

所属機関: 1北里大学医学部精神科

ページ範囲:P.105 - P.109

文献概要

はじめに
 1988年の精神保健法改正により,新たな入院形態として応急入院制度が導入された。この入院制度は,精神科救急医療への対応の一環として導入されすでに10年が過ぎようとしている。しかしこれまでの応急入院の実態に関する調査・報告例は,江畑ら1)の報告を除いて極めて乏しい。一方,厚生省は応急入院指定病院の指定の促進を図っているにもかかわらず,1995年現在いまだに全国の応急入院指定病院数は45施設にとどまり,15の道県において応急入院指定病院が存在していない(表1)のが現状である。これらの県では応急入院に相当する症例が発生した場合に,いかに対応しているのであろうか。
 神奈川県では応急入院制度は1990年度から開始され,県下では北里大学東病院のみで応需している5)。すなわち,北里大学東病院で対応した症例が神奈川県の応急入院そのものの実態を反映している。本稿では,当院に応急入院となった全症例について調査し,神奈川県における応急入院の実態について報告するとともに,応急入院の問題点を指摘する。さらに全国の応急入院の状況を提示したうえで,今後の応急入院の運用についても検討する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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