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雑誌目次

論文

精神医学41巻10号

1999年10月発行

雑誌目次

巻頭言

うつ病について思うこと

著者: 木下利彦

ページ範囲:P.1028 - P.1029

   お母さまは
   大人で大きいけれど。
   お母さまの
   おこころはちいさい。
   だって,お母さまはいいました,
   ちいさい私でいっぱいだって。
   私は子供で,
   ちいさいけれど,
   ちいさい私の
   こころは大きい。
   だって,大きいお母さまで,
   まだいっぱいにならないで,
   いろんな事をおもうから。
   (金子みすゞ「腱毛の虹」JULA出版局より)
 金子みすヾの「こころ」という詩である。非常に感性豊かですばらしいが,反面小さい頃から母の“こころ”をケアーしてきたであろう歴史が想像され,かわいそうに思えてならない。彼女の豊かな“こころ”と健気な“こころ”の両面が表れている私の大好きな作品の1つである。金子みすヾは,永らく“幻の童謡詩人”とされていたが,1人の児童文学者の熱意により,世に知らしめられ,近年非常に評価が高まっている。生涯に500編余の作品を発表し,26歳で自らその命を絶った人である。親の勧めで意に添わぬ結婚をし,夫の放蕩と無理解により疲弊しうつ状態に陥り,3歳の娘を残し世を去ってしまった。3月に大阪で開かれた,「金子みすヾの世界」展を見に行った直後に,原稿の依頼があり,「うつ病」について少し書かせていただく。

展望

精神鑑定—その歴史的変遷と諸課題

著者: 山上皓

ページ範囲:P.1030 - P.1042

はじめに
 精神鑑定とは,裁判所(あるいは検察庁,警察署)の委嘱による,被告人ないし被疑者の精神状態についての専門家の判断・報告を指し,刑事訴訟法第165〜174,223〜225条にその規定がある。
 我が国における精神鑑定の歴史は古く,旧法(治罪法,明治15年施行)の時代からしばしば行われていたことは,榊俶と呉秀三の鑑定書集にもうかがうことができる。精神鑑定を学問的に基礎づける司法精神医学は,黎明期の精神医学においては極めて重要な領域として位置づけられていたのであるが,今日では昔日の面影はなく,多くの難題を抱えながらあえいでいる。生物学的精神医学の発展など,時代による必然的な変化によるところもあるが,我が国の場合,それに加えて,昭和40年代に生じた保安処分制度新設をめぐる精神医学界の葛藤が,大きく影を落としていることが問題である。事実,この闘争を契機として,精神医学界に精神障害と犯罪をめぐる話題をタブー視する風潮が生じ,その研究や,精神鑑定さえ敬遠されるような時代が,ごく最近まで続いてきた。その一方において,精神障害が問題となるような重大事件は変わることなく数多く生じている。近年,精神鑑定が繰り返される中で,鑑定人間の見解の相違が甚だしく,このことが精神鑑定や,精神医学そのものへの懐疑を世に広めているかの感があり,憂慮すべきことである。
 近年ようやく我が国の精神医学界に,精神障害と犯罪をめぐる問題を直視しようとする雰囲気が生じており,司法精神医学の復興の時として歓迎したい。遅れている我が国の司法精神医学教育と,精神鑑定および精神障害犯罪者処遇をめぐる諸問題の改善のため,いくぶんでも寄与しうることを願って本論を記すものである。

研究と報告

非定型自閉症における有意味語消失現象に関する研究

著者: 長沼洋一 ,   瀬戸屋雄太郎 ,   長田洋和 ,   高橋美紀 ,   渡辺友香 ,   立森久照 ,   栗田広

ページ範囲:P.1043 - P.1050

【抄録】 3歳以上の非定型自閉症児169例(平均年齢=6.5,SD=3.7;男148,女21)において,一度生じた有意味語が消失する有意味語消失現象について検討した。有意味語消失を有した21例(12.4%)とそれ以外の148例(87.6%)を比較した。消失現象を有する例では,それのない例より「おすわりをする」月齢と「はいはいをする」月齢が有意に早く,その他の早期運動発達も遅れはなかった。消失以後の発達行動ではIQ,自閉傾向を測定するCARS TVに男女全体で有意差はなかったが,男子では両者とも有意差があった。少なくとも男子では自閉症と同様,非定型自閉症で有意味語消失現象を呈する子どもの短期的発達的予後はより不良と思われる。

生活歴とMRIデータベースに基づく痴呆予測システム—ロジスティックモデルを用いた統計的手法とその精度

著者: 苗村育郎

ページ範囲:P.1051 - P.1060

【抄録】 生活歴と既往歴から脳障害と痴呆を予測するモデルを作り,その精度と信頼性を検定した結果,ほぼ実用に足る結果を得たので報告する。まず第1段階として,精神科外来を受診した患者群を中心に2,165例の脳のMRIデータベースを作成し,各種の脳障害所見に寄与する生活習慣病などの危険因子の寄与率を調べ,脳障害の予測モデルを作成した。次に第2段階として,脳障害と痴呆の関係を同じくロジスティックモデルで解析し,第1段階の結果を代入して痴呆の有無の確率予測を行うプログラムを作成した。このモデルを,106名の痴呆者を含む429名の新規患者(MRIは265名)に対して適応したところ,各種脳障害の有無については平均77.0%の,また痴呆の有無については86.0%の正答率を得た。この手法を経時的予測に応用すれば,任意の被検者の将来の脳障害の蓄積と痴呆についてのシミュレーションを可能にするとともに,どの因子を制御すればどの程度痴呆を予防できるかについて,有用な示唆を得ることができることを示した。

特異な病理所見を示したアルツハイマー病の2剖検例

著者: 入谷修司 ,   土谷邦秋 ,   池田研二 ,   小阪憲司

ページ範囲:P.1061 - P.1069

【抄録】 特異な臨床像や神経病理像を呈した若年発症のアルツハイマー病(AD)の2症例を報告した。症例1は痴呆の遺伝負因を持ち36歳頃発症し,最後は失外套状態となり全経過8年で死亡し,神経病理学的に脳の萎縮が目立たない一方,大量の老人斑が大脳皮質をはじめ,基底核,小脳にまで観察された。症例2は47歳で発症し,全経過約14年を経て最後は失外套状態になって死亡した症例で,前頭葉から側頭葉にかけての著明な萎縮があり,脳重も775gと著明に減少していた。大脳皮質において神経細胞の脱落の程度や老人斑および神経原線維変化の出現に,部位による強弱があり,また大脳白質の変化が強かった。この2症例の神経病理像は,その組織障害という点においてきわめて広範で重症であり,アルツハイマー病の究極像を示していると考えられた。なお,両例ともに遺伝子検索を施行したが,AD関連遺伝子は同定できなかった。

地域住民を対象としたDSM-IV診断基準による睡眠障害の有病調査について

著者: 土井由利子 ,   簑輪眞澄 ,   内山真 ,   金圭子 ,   渋井佳代 ,   亀井雄一 ,   大川匡子

ページ範囲:P.1071 - P.1078

【抄録】 1998年,我々は,20歳以上の一般住民817人を対象に国際比較可能な標準化された診断方法を用い睡眠障害に関する有病調査を行った。ピッツバーグ睡眠質問票日本語版を用いた一次調査では不眠症あるいは睡眠の質の悪さを有する者はそれぞれ15.9%,18.8%であった。睡眠障害陽性者のうちの専門医による臨床面接に同意した36人のうち27人にDSM-IVに基づく睡眠障害(35診断)が認められた。睡眠障害を有する者のうち医療機関を受診していた者の大部分が内科を中心に受診しており,また,睡眠障害ありと診断された者の約3人に1人は医療機関を全く受診していなかった。以上より,医療従事者および一般住民への睡眠障害に対する啓蒙の必要性が示唆された。

在宅高齢患者と介護者におけるQOLと家族環境についての研究

著者: 渡辺俊之

ページ範囲:P.1079 - P.1086

【抄録】 在宅高齢患者と家族を対象として,Barthel Index(BI),自己記入式QOL質問表(QUIK),Family Environment Scale(FES)を用いて高齢患者,家族のQOLと家族環境を検討した。在宅高齢患者のQUIK合計点は13.2で「やや不良」の領域であった。患者家族のFESでは表出性が有意(p<0.05)に高く,活動娯楽志向性が有意(p<0.005)に低かった。高齢患者のQUIK合計点はFESの凝集性(-0.52),表出性(-0.36),組織性(-0.47)と負の相関を示した。介護者のQUIK合計点は,凝集性(-0.5),表出性(-0.18),組織性(-0.41)と負の相関を示したが,対照群では相関を認めなかった。
 家族が高齢患者を抱えると,凝集性,表出性,組織性といった家族特性が,患者と介護者のQOLに強く影響してくることを示唆している。

インターフェロンによる精神症状の自然再燃を来したC型慢性肝炎の1例

著者: 宍戸壽明 ,   菅野智行 ,   沼田吉彦 ,   渡部芳徳 ,   加藤光三 ,   丹羽真一

ページ範囲:P.1087 - P.1090

【抄録】 インターフェロン(IFN)による精神症状の自然再燃を来したC型慢性肝炎の1例を報告した。症例は44歳,女性。IFN治療終了直後より,軽度の意識混濁のエピソードに引き続き,手指振戦・幻覚妄想が出現した。抗精神病薬に対する治療反応性は良好であったが,治療終了1年6か月後に軽度の意識混濁に引き続き,手指振戦・同内容の幻覚妄想が再び出現した。近年,IFNによる精神症状の遷延例が集積されつつあるが,本症例は,IFNによって精神症状の再発準備性をも形成される可能性のあることを示唆するものと考えられた。

短報

5歳10か月で幻覚妄想状態を呈した1例

著者: 原田誠一 ,   小野正恵 ,   清水康夫 ,   亀山知道

ページ範囲:P.1093 - P.1096

はじめに
 筆者らは,5歳10か月で幻覚妄想状態を呈した女児を治療する機会を得た。幻覚妄想体験の年齢的下限は6〜7歳頃と考えられており7,10),5歳10か月の児童で精神病状態が認められたのは興味深いため報告する。

精神症状出現にマジックマッシュルーム摂取が関与したと考えられる2症例

著者: 松本俊彦 ,   宮川朋大 ,   矢花辰夫 ,   飯塚博史 ,   岸本英爾

ページ範囲:P.1097 - P.1099

 近年,薬物汚染拡大の中で,乱用の対象となる薬物は多様化し,海外のドラッグカルチャーの影響を受けてファッション化の傾向がある。こうした風潮の中で,若者向けの雑誌では,「合法ドラッグ」が好奇心を煽るような内容で紹介されることも珍しくない。現在,市販鎮咳剤やブタンガスを除けば,「合法ドラッグ」の乱用の実態や弊害について精神科臨床で問題とされることはまれである。今回我々は「合法ドラッグ」の1つであるマジックマッシュルームmagic mushroom(以下,MM)が精神症状に関与したと考えられる2症例に遭遇したので,これを報告し,若干の考察を加える。

クロミプラミンが有効であったアルツハイマー病末期の叫声

著者: 高橋恵 ,   山田正夫

ページ範囲:P.1101 - P.1104

 アルツハイマー病は比較的若年者に発症し,進行が早く,早期に高度痴呆に陥る。精神病院に入院を余儀なくされるアルツハイマー病患者は,認知機能や状況理解の低下から介護に対する抵抗や暴力を呈することが多い。痴呆が進行すると,高次機能は失われ,叫声が問題になることもある。しかし,アルツハイマー病末期の叫声に対する有効な治療の報告は極めて少ない。今回我々は,叫声を理由に痴呆専門病棟に入院したアルツハイマー病患者3例のうち抗精神病薬が無効であった2例において,クロミプラミンの併用が有効であったので,これらの症例を報告し,若干の考察を加える。

「Frégoliの錯覚」で発症し,その後急性増悪した精神分裂病の1男性例

著者: 佐藤晋爾 ,   水上勝義 ,   畑中公孝 ,   鈴木利人 ,   白石博康

ページ範囲:P.1105 - P.1107

 Frégoliの錯覚(lllusion of Frégoli,以下IF)は1927年Courbonら2)によって提唱された症候群で,「自分に関係している対象Aが,複数の対象B,C,D…に変装している」という主題で展開する人物誤認妄想の1型である。本症は,これまで本邦において20例程度しか報告されておらず,比較的希な病態と考えられている3)
 今回我々は,被愛構造をとる恋愛妄想を伴わず,「本当に愛されているか確信が持てない」ままに対象を能動的に求め,その対象が様々に変装して現れるという特異なIFを呈した精神分裂病の1例を経験した。貴重な症例と思われるので若干の考察を加えて報告する。

進行麻痺の治療中にヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応とそれに伴う肝機能障害を呈した1例

著者: 赤川祐典 ,   苗村育郎 ,   増田豊 ,   菱川泰夫 ,   清水徹男

ページ範囲:P.1109 - P.1112

 一般に,進行麻痺は,梅毒の初期感染後10〜20年ほど経過して後に,多彩な精神神経症状をもって発病する。しかし,最近では,梅毒の初期感染後約6年で躁状態や幻覚・妄想状態などの精神症状で発病する症例が報告されている11)。今回,我々は,初期感染から6年以内に躁状態をもって発病し,その治療中に,ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応(Jarisch-Herxheimer Reaction,以下JH反応と略)と,それに伴う著しい肝機能障害を呈した進行麻痺の症例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。

凍結乾燥ヒト硬膜移植10年後に精神病症状で発症したクロイツフェルト・ヤコブ病の1例

著者: 細井尚人 ,   岡田真一 ,   矢田洋三 ,   山内直人 ,   児玉和宏 ,   佐藤甫夫

ページ範囲:P.1113 - P.1115

はじめに
 クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は進行性の痴呆とミオクローヌス,小脳失調,錐体路および錐体外路症状などの精神神経症状を主徴とする疾患であり,プリオンによって伝播される感染症としての側面を持っている。近年,本邦でも凍結乾燥ヒト硬膜の移植によって感染したと思われる症例が報告されているが,我々は被害妄想,注察妄想などの精神病症状で発症し,比較的緩徐に進行したと思われる1疑診例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。

試論

心的外傷後ストレス障害PTSDは解離性障害か恐怖症か

著者: 漆原良和

ページ範囲:P.1117 - P.1126

はじめに
 心的外傷後ストレス障害PTSD(以下PTSDと略す)という概念は1980年にDSM-IIIで初めて登場した。きっかけは当時アメリカが抱えていた深刻な社会問題であった。ベトナム戦争帰還兵によく見られる精神神経症状が,既存の精神医学的疾病分類になじまず,新しい疾病概念が必要とされた。ベトナム戦争帰還兵の約15%がPTSDに罹患したと報告されている44)。さらにもう1つの重大な社会問題,レイプや幼児期の性的虐待の被害者(主に女性)に高率に同様の症状群がみられたことがPTSDの概念の確立を後押しした。同国の女性の約25%がレイプ被害経験者という社会状況23)では,この精神神経症状を見過ごすことはできなかった。その後,同様の症状が,それ以外の個人的な出来事でも幅広くみられることがわかり3),PTSDの概念は急速に精神科臨床に普及している。

私のカルテから

幻覚・妄想と原因不明の脳萎縮像を呈した症例

著者: 岩崎進一 ,   切池信夫 ,   撫井弘二 ,   木岡哲郎 ,   井上幸紀 ,   山上榮

ページ範囲:P.1128 - P.1129

 今回我々は精神分裂病様症状を呈し,著明な脳室拡大を認め,脳萎縮像を呈した珍しい症例を経験した。本症例の診断および脳萎縮像について若干の考察を加えて報告する。

「精神医学」への手紙

再びコトバについて—臺 弘先生へ

著者: 土居健郎

ページ範囲:P.1130 - P.1131

 「コトバの問題」(本誌第41巻第6号,巻頭言)を臺先生が共感を以って読み,その趣旨に全面的に賛意を表明されたと知って大変嬉しい。しかしさすがは臺先生というべきか,先生は同時に私の議論の一番弱いところ,しかしその実最も重要なところ,問題の核心というべきところを突いた。私の主張,「精神状態はコトバによって表現される」「コトバで表現できるからこそ本来主観的なものが客観性を獲得する」は説明が不十分であるというのである。臺先生はコトバが人を欺く可能性にまず注意を促す。それから非言語的表現,例えば,絵画・舞踊・音楽などが感情や象徴を伝える事実を挙げ,次いで,コトバを持たない動物の感情表現や認知行動障害までもが理解の対象となり得る事実に言及し,その最も劇的な例の一つとして,慢性覚醒剤中毒のサルに幻覚の発現を見た御自分の研究成果を挙げて,それこそ百聞は一見にしかずだと喝破された。どうも臺先生は私が「コトバによって主観的なものが客観性を獲得する」とのべたのが気に入らないらしい。主観はコトバによって客観化されるのでなく,単に「合意:通用性」を得るにとどまり,真の客観性はコトバを越えた客観的な事柄によって初めて実証されると論じておられるのである(臺弘,本誌第41巻第8号902ページ)。
 私は臺先生の言われることがわからぬわけではない。それが今日の正論であることも十分承知している。にも拘らず敢えて異を唱えねばならぬが,そうする前にちょっと寄り道をして,本誌のような学術誌にふさわしくはないと知りつつ,ゲーテの『ファウスト』の一場面を紹介したい。それは劇の冒頭のところで,学問に倦み疲れ,無力感に打ちひしがれて死を決するファウストが,外の復活祭の騒ぎに気を取られ,もう一ぺん生きようと新約聖書を手に取る場面である。この聖書に「初めに言葉があった」という有名な一節がある。ファウストはこれを好きなドイツ語に訳そうとするが,Wort(コトバ)につっかえてしまう。彼はコトバを高くは評価できない。代わりにSinn(ココロ)かKraft(力)かと迷うが,最後に,「初めにTat(行為)があった」として漸く満足したということである。コトバの達人ゲーテはTatの方がWortより重みを以って受け取られる事実を知っていたにちがいない。このことと関連するが,一般に主観(Subject)というと一方的で妥当性を欠き,客観(Object)というと事実に即し普遍的であるという風に受け取るのを今日誰も怪しまぬが,これは18世紀以降そうなったのであり,それ以前は価値判断がこの逆であったということを知っておく必要があろう。

基本情報

精神医学

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-126X

印刷版ISSN 0488-1281

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