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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻10号

1999年10月発行

文献概要

研究と報告

非定型自閉症における有意味語消失現象に関する研究

著者: 長沼洋一1 瀬戸屋雄太郎1 長田洋和1 高橋美紀1 渡辺友香1 立森久照1 栗田広1

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野

ページ範囲:P.1043 - P.1050

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【抄録】 3歳以上の非定型自閉症児169例(平均年齢=6.5,SD=3.7;男148,女21)において,一度生じた有意味語が消失する有意味語消失現象について検討した。有意味語消失を有した21例(12.4%)とそれ以外の148例(87.6%)を比較した。消失現象を有する例では,それのない例より「おすわりをする」月齢と「はいはいをする」月齢が有意に早く,その他の早期運動発達も遅れはなかった。消失以後の発達行動ではIQ,自閉傾向を測定するCARS TVに男女全体で有意差はなかったが,男子では両者とも有意差があった。少なくとも男子では自閉症と同様,非定型自閉症で有意味語消失現象を呈する子どもの短期的発達的予後はより不良と思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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