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研究と報告
生活歴とMRIデータベースに基づく痴呆予測システム—ロジスティックモデルを用いた統計的手法とその精度
著者: 苗村育郎1
所属機関: 1秋田大学保健管理センター
ページ範囲:P.1051 - P.1060
文献購入ページに移動【抄録】 生活歴と既往歴から脳障害と痴呆を予測するモデルを作り,その精度と信頼性を検定した結果,ほぼ実用に足る結果を得たので報告する。まず第1段階として,精神科外来を受診した患者群を中心に2,165例の脳のMRIデータベースを作成し,各種の脳障害所見に寄与する生活習慣病などの危険因子の寄与率を調べ,脳障害の予測モデルを作成した。次に第2段階として,脳障害と痴呆の関係を同じくロジスティックモデルで解析し,第1段階の結果を代入して痴呆の有無の確率予測を行うプログラムを作成した。このモデルを,106名の痴呆者を含む429名の新規患者(MRIは265名)に対して適応したところ,各種脳障害の有無については平均77.0%の,また痴呆の有無については86.0%の正答率を得た。この手法を経時的予測に応用すれば,任意の被検者の将来の脳障害の蓄積と痴呆についてのシミュレーションを可能にするとともに,どの因子を制御すればどの程度痴呆を予防できるかについて,有用な示唆を得ることができることを示した。
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