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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻10号

1999年10月発行

文献概要

研究と報告

インターフェロンによる精神症状の自然再燃を来したC型慢性肝炎の1例

著者: 宍戸壽明1 菅野智行2 沼田吉彦2 渡部芳徳1 加藤光三1 丹羽真一1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部神経精神医学教室 2福島赤十字病院精神神経科

ページ範囲:P.1087 - P.1090

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【抄録】 インターフェロン(IFN)による精神症状の自然再燃を来したC型慢性肝炎の1例を報告した。症例は44歳,女性。IFN治療終了直後より,軽度の意識混濁のエピソードに引き続き,手指振戦・幻覚妄想が出現した。抗精神病薬に対する治療反応性は良好であったが,治療終了1年6か月後に軽度の意識混濁に引き続き,手指振戦・同内容の幻覚妄想が再び出現した。近年,IFNによる精神症状の遷延例が集積されつつあるが,本症例は,IFNによって精神症状の再発準備性をも形成される可能性のあることを示唆するものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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