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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻10号

1999年10月発行

文献概要

短報

「Frégoliの錯覚」で発症し,その後急性増悪した精神分裂病の1男性例

著者: 佐藤晋爾1 水上勝義2 畑中公孝1 鈴木利人2 白石博康2

所属機関: 1筑波大学附属病院精神神経科 2筑波大学臨床医学系精神医学

ページ範囲:P.1105 - P.1107

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 Frégoliの錯覚(lllusion of Frégoli,以下IF)は1927年Courbonら2)によって提唱された症候群で,「自分に関係している対象Aが,複数の対象B,C,D…に変装している」という主題で展開する人物誤認妄想の1型である。本症は,これまで本邦において20例程度しか報告されておらず,比較的希な病態と考えられている3)
 今回我々は,被愛構造をとる恋愛妄想を伴わず,「本当に愛されているか確信が持てない」ままに対象を能動的に求め,その対象が様々に変装して現れるという特異なIFを呈した精神分裂病の1例を経験した。貴重な症例と思われるので若干の考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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