icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻11号

1999年11月発行

文献概要

研究と報告

初老期・老年期発症の軽症うつ病における頭部MRI高信号領域

著者: 北村秀明12 豊岡和彦2 不破野誠一1

所属機関: 1国立療養所犀潟病院精神科 2新潟大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.1179 - P.1183

文献購入ページに移動
【抄録】 本研究の目的は,無症候性のMRI T2高信号領域の程度を,軽症で経過の短い初老期・老年期発症のうつ病患者において調べることにより,高信号領域を高齢者のうつ病発症の要因として考えることができるかどうかを明確にすることであった。対象は60歳以降に発症した軽症うつ群19名(平均年齢71.9歳)と,筋緊張性頭痛群26名(平均年齢68.9歳)で,この両群のMRI画像を比較した。結果は,うつ病群は頭痛群に比べて深部白質の高信号領域(WMH)を有する患者が有意に多く(p=0.02),WMHのgradeが有意に高かった(p=0.005)。WMHが高齢者の軽症うつ病の発症に関与している可能性が支持された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?