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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻11号

1999年11月発行

文献概要

研究と報告

生活環境要因が知的評価スケールに及ぼす影響—アルツハイマー型痴呆,脳血管性痴呆,対照群を用いて

著者: 小川栄一1 柿木昇治1 菊本修2 好永順二3

所属機関: 1広島修道大学人文学部心理学教室 2いでしたクリニック 3社会保険広島市民病院神経科・老人性痴呆疾患センター

ページ範囲:P.1185 - P.1190

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【抄録】 社会保険広島市民病院神経科・老人性痴呆疾患センターに来院した患者595例からアルツハイマー型痴呆(DAT)群,脳血管性痴呆(VD)群,対照群を選択,N式精神機能検査(N式)を施行し,知的評価スケールと生活環境要因との関連を検討した。対照群では「年齢」,VD群では「家庭内での役割」,DAT群では「学歴」,「同居形態」,「家庭内での役割」がN式得点の低下と関連のある要因として選択された。すなわち,DAT群では,「高学歴」,「一人暮らし」,「家庭内での役割あり」で有意に知的機能が高いという結果が示された。この結果より,DATの罹患を予防するためには,①若い時に高い教育を得ていること,②子どもと同居せず自立すること,③生活の中で自己のするべき役割があること,が重要であることが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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