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研究と報告
気分障害の症状・経過に及ぼす自殺企図の影響
著者: 福永貴子1 坂元薫1
所属機関: 1東京女子医科大学精神医学教室
ページ範囲:P.1191 - P.1196
文献購入ページに移動【抄録】 自殺企図のため入院した気分障害40例と対照群40例を対象に,入院前後の精神症状変化をDSM-IVの重症度分類に従って調査した。自殺企図群の精神症状改善率38%は対照群の改善率18%に比べ有意に高かった。自殺企図手段や自殺企図時の精神症状の重症度と精神症状変化の有無との間には有意の関連はなかった。意識消失を伴う場合には病相switchが有意に起こりやすかった。精神症状改善の要因としてカタルシス効果,ショック療法的効果が示唆された。改善例の87%では改善期間は3か月未満であった。うつ状態再燃の要因として,精神科的治療の希薄化,早期社会復帰,自殺企図の抗うつ効果の減衰が示唆され,抑うつ再燃による再企図に留意すべきと思われた。
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