icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻11号

1999年11月発行

文献概要

研究と報告

躁状態を呈したてんかんの1症例

著者: 富田義之1 本岡大道1 石田重信1 石井浩喜1 前田久雄1

所属機関: 1久留米大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.1197 - P.1203

文献購入ページに移動
【抄録】 23歳,男性。5歳時に全身のけいれん発作が出現し,当科を受診。結節性硬化症,症候性てんかんと診断され薬物療法が開始となった。16歳時,不眠をきっかけに精神運動興奮,著明な脱抑制状態など躁状態が出現し当科に入院となった。入院中および退院後に躁状態は計4回認められたが,いずれも症状発現前および症状期に発作が出現していた。SPECTでは症状期,症状寛解期とも脳全体の低灌流が認められ,特に左前頭葉,両側の外側および内側側頭葉で脳血流が低下していた。発作焦点と関連しない両側側頭葉の低灌流は精神症状との関連が推察された。また結節性硬化症に伴う精神症状について単純に原疾患に病因を求めることは難しいと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?