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短報
悪性症候群を繰り返した痴呆患者の1例
著者: 角田貞治13 日野博昭23 瀬川光子2 井関栄三3 小阪憲司3
所属機関: 1湘南さくら病院 2横浜舞岡病院 3横浜市立大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.1221 - P.1224
文献購入ページに移動悪性症候群(neuroleptic malignant syndrome,以下NMS)は向精神薬投与患者に認められる重篤な副作用であり,錐体外路症状,自律神経症状,意識障害を主徴としている。近年,NMSの認識は高まり,早期の診断・治療により,重篤化や死亡する頻度は減少している。しかしその病態に関してはいくつかの病因仮説が提示されているが,不明の点が多い。一方,痴呆患者の行動異常に対して向精神薬が使用されるようになって以来,NMSの報告が増えているが,痴呆患者のNMSの臨床像の特徴に関する把握はいまだ不十分である。今回,筆者らは血清CPK高値以外に診断基準を満たす典型的な臨床症状を呈さないが,悪性症候群と考えられるエピソードを2度繰り返した痴呆患者の1例を経験したので,若干の考察を加え報告する。
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