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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻2号

1999年02月発行

文献概要

研究と報告

高脂血症の脳障害—第2報:白質障害と痴呆化の危険度の推定

著者: 苗村育郎1 菱川泰夫1

所属機関: 1秋田大学医学部神経科精神科

ページ範囲:P.147 - P.152

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【抄録】 高脂血症(HL)と前頭萎縮の関係を取り上げた前報9)に引き続き,本報ではHLと大脳白質および基底核障害の関係を検討し,さらにHLと痴呆との関係を解析した。その結果。
 (a)MRI画像で判定したHLの白質障害は,年齢にほぼ比例して高頻度となる。HLの大脳白質および基底核のT2 spotに対する相対危険度(rr)は,それぞれrr=1.4(p<0.02)およびrr=1.5(p<O.02)で,高血圧との相互作用が認められた。総コレステロール値とT2spotの頻度は緩やかに相関し,160mg/dlを超える高齢者では過半数でT2spotが認められた。
 (b)HLが痴呆に寄与することの統計的証明は,重度痴呆者を除外した群で初めて可能となり,軽度痴呆に対するHLの相対危険度は,rr=1.8(p<0.008)であった。
 以上から,HLに連関した脳障害は痴呆に寄与しており,HLの管理は痴呆予防のためにも重要であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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