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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻2号

1999年02月発行

研究と報告

アルコール乱用に引き続いた日中過眠,睡眠相後退症候群の1症例

著者: 佐谷誠司1 萬代正治1 黒田健治1 吉田祥1 江村成就1 松村人志1

所属機関: 1大阪医科大学神経精神医学教室

ページ範囲:P.153 - P.157

文献概要

【抄録】 今回我々は,生活習慣の変化とアルコール乱用を契機に睡眠相後退症候群(以下,DSPS)を発症し,望ましい生活リズムに適応できず,断酒した後の社会適応の妨げとなったため睡眠覚醒リズム障害に対する治療が必要となった症例を経験した。その治療にVB12投与,社会的同調因子の強化,methylphenidateの投与が有効であった。
 アルコール乱用,DSPSはそれぞれ就業,就学の妨げとなり,患者の社会復帰を阻む要因となる。methylphenidateをアルコール乱用の既往がある症例に投与することは,乱用,依存への発展に対して慎重にならざるをえないが,今回の症例では有効であり,社会復帰に寄与しえたと評価した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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