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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻2号

1999年02月発行

研究と報告

摂食障害患者における性的および身体的虐待について

著者: 永田利彦1 切池信夫1 松永寿人1 池谷俊哉1 河原田洋次郎1 山上榮1

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.165 - P.172

文献概要

【抄録】 摂食制限型神経性食思不振症(RAN)25例,過食・浄化型神経性食思不振症(ANBP)31例,浄化型過食症(BN)41例と健常対照者33名に身体的,性的虐待の質問紙であるPhysical and Sexual Abuse Questionnaire(PSA)日本語版を施行した。ANBP群は対照群,RAN群より「あなたの親が怒った時には,(正当な罰以上に)手であなたをたたきましたか」の項目に有意に「頻回に」と答えた。一方,対照群のほうが患者群より有意に多く痴漢の被害にあっており,痴漢を除いた性的虐待では4群間に差を認めなかった。以上より,性的虐待と神経性食思不振症,過食症との関連は認められなかった。一方,身体的虐待,特に過度の体罰は関連している可能性が示されたが,これが摂食障害に特異的であるかいなかはさらに検討が必要と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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