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短報
精神病様症状を呈した若年発症の視床梗塞の1例
著者: 張替直基14 玉川カンナ2 坂口正道3
所属機関: 1東京都南多摩保健所 2元都立府中病院神経科 3都立松沢病院精神科 4都立府中病院神経科
ページ範囲:P.189 - P.191
文献購入ページに移動精神神経症状の発現と視床との関係は視床症候群として古くより論じられており,最近では視床の内側核,特に背内側核の病変の際に,意識障害,失見当識,無関心,自発性欠如,記憶障害,性格変化,幻覚,痴呆などの精神症状を呈しやすいとされている4)。
今回我々は,22歳の若年者で,活動性の低下と怠学・怠業に始まり,幻覚・妄想症状の一面で夢幻様状態を思わせる病像を呈し,入院初期には分裂病が疑われたが,結局は視床梗塞が確認された症例を経験した。このような報告が総じて中年以降に多いのに対し,今回の症例は,年齢的にも症状からも興味深いものであったので,その臨床経過の特徴と診断に至るまでの過程について,若干の考察を加え報告する。
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