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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻2号

1999年02月発行

文献概要

資料

精神保健福祉センターにおける訪問活動—第1報:精神科医療への結びつけ—訪問と搬送手伝い

著者: 堀田直樹12 須賀一郎13 春日武彦14 大杉彰友1 浦野弘美5

所属機関: 1東京都立精神保健福祉センター 2東京都立松沢病院 3現,クリニック東陽町 4東京都立中部総合精神保健福祉センター 5東京都立多摩総合精神保健福祉センター

ページ範囲:P.197 - P.203

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はじめに
 精神保健福祉センターは地域の精神保健福祉の総合的技術センターとして位置づけられ,それらの第一線機関である保健所に技術指導・援助を行い,保健所で対応しきれない複雑または困難な業務を行うと定められている19)。実際には,保健所や福祉事務所などから相談および指導を求められるもののうち医療につながらない精神障害者の処遇が大きな業務の1つになっている8,10)。また我々の東京都立精神保健福祉センター(以下当センターと略)への直接の精神保健相談にもそうした患者の処遇が含まれている。その多くは,東京都で実施している精神科救急医療1)や精神保健および精神障害者福祉に関する法律(以下精神保健福祉法と略す)第24条(以下24条と略す)19)に基づく警察官通報による診察の結果,措置入院となる制度によっては解決困難な,すなわちこれらの経路に乗らない精神障害者であり,現状ではこうした患者に対する十分な対策が講じられていない。また,ここまで進行していない場合にも,当センターは対応の仕方などについての保健所や家族などからの問い合わせに応じている。
 このような精神障害者対策の1つとして当センターでは,1993年5月から「複雑困難ケース相談班」を組織し,保健所や家族などの要請に応じて精神保健指定医および技術系職員が訪問,面接して診断を下し,各種の精神保健福祉に関与する職員と適切な処遇法を立案して実行に移すとともに,必要に応じて精神科医療機関への入院搬送5,6)の要請に応じるようにしてきた。精神保健福祉センターで,訪問と搬送手伝いを組織立てて実践している報告は見当たらない。そこで,実施して3年になる我々の相談活動の実際とその結果を報告し,この活動の成果や今後に残された問題について検討を加えたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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