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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻2号

1999年02月発行

文献概要

資料

市立旭川病院精神神経科における思春期患者の実態—思春期外来開設後6年間の外来統計から

著者: 武井明1 太田充子2 土田英文2 田端秀行2 佐藤譲2 原岡陽一2 佐々木文子3 駒井厚子4 酒木保5 塚本隆三6

所属機関: 1旭川医科大学保健管理センター 2市立旭川病院精神神経科 3旭川医科大学精神科神経科 4六条神経科 5京都文教大学 6北海道療育園

ページ範囲:P.205 - P.212

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はじめに
 近年,不登校や摂食障害を呈する思春期の子どもの増加や,中学生による凶悪犯罪の相次ぐ発生から,思春期の子どもの精神保健に対して関心が向けられるようになり,心理的な問題を抱えた子どもたちに適切な援助・治療が可能な思春期精神科医療に対する社会的要請も高まってきている。しかし,思春期精神科を専門外来として設けている医療機関は一部の大学病院や公的病院だけであり,地域の医療活動全体の中で中心的な役割を果たすべき総合病院において,思春期外来を開設している病院の数は極めて少ない4,11)
 市立旭川病院精神神経科(以下,当科と略)では,1980年代になってから不登校をはじめとする思春期患者の増加が目立つようになった15)。また,同じ頃から旭川市内の中学校においては不登校児数が著しく増加してきたため,1985年に市内の中学校に登校拒否学級が初めて開設された2)。この学級への入退級の判定は,精神科医,児童相談所職員,学校関係者などによって構成される登校拒否治療教育推進委員会において行われている。しかし,不登校児の中には様々な身体症状や精神症状を有する者も少なくなく,学校側だけでは十分に対応することが困難で,精神科に対して治療や助言が求められることが多くなっていた。このような状況から,学校と連携しながら思春期の子どもたちが気軽に受診できる精神科の必要性が高まったために,当科では1991年1月から思春期外来を開設し,思春期患者の診療にも携わってきた。北海道北部地域の精神科において,思春期外来を開設している医療機関は当科だけであり,この地域の思春期精神科医療において非常に重要な役割を担っていると考えられる。
 今回我々は,思春期外来開設後6年間の外来診療統計を集計したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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