文献詳細
展望
文献概要
はじめに
非アルツハイマー型変性痴呆Non-Alzheimer degenerative dementias(NADD)は,アルツハイマー型痴呆(ATD:アルツハイマー病AD+アルツハイマー型老年痴呆SDAT)以外の変性痴呆疾患の総称である。この名称は,1996年7月に大阪で開催されたInternational Conference on Alzheimer's Disease and Related Disordersで,小阪が企画したワークショップ“Differential diagnosis of non-Alzheimer degenerative dementias”で初めて用いられ,その前日に行われた座談会1),さらにその秋の雑誌Dementiaの特集1)でも取り上げられた。1997年のInternational Congress of Neuropathology(Perth)でも同じ名称のシンポジウムが組まれ,その特集がBrain Pathology(1998)に掲載された3)。また,1997年の第16回日本痴呆学会(横浜)でもシンポジウムとして取り上げられ,ごく最近Kosaka & Iseki2)が我が国のNADD研究の最近の進歩について,Psychiatry and Clinical Neurosciencesに報告している。このように,NADDが最近注目を浴びているので,NADDの動向を展望することにする。
なお,NADDは表1のように分類されるので,以下この分類に従って述べることにする。
非アルツハイマー型変性痴呆Non-Alzheimer degenerative dementias(NADD)は,アルツハイマー型痴呆(ATD:アルツハイマー病AD+アルツハイマー型老年痴呆SDAT)以外の変性痴呆疾患の総称である。この名称は,1996年7月に大阪で開催されたInternational Conference on Alzheimer's Disease and Related Disordersで,小阪が企画したワークショップ“Differential diagnosis of non-Alzheimer degenerative dementias”で初めて用いられ,その前日に行われた座談会1),さらにその秋の雑誌Dementiaの特集1)でも取り上げられた。1997年のInternational Congress of Neuropathology(Perth)でも同じ名称のシンポジウムが組まれ,その特集がBrain Pathology(1998)に掲載された3)。また,1997年の第16回日本痴呆学会(横浜)でもシンポジウムとして取り上げられ,ごく最近Kosaka & Iseki2)が我が国のNADD研究の最近の進歩について,Psychiatry and Clinical Neurosciencesに報告している。このように,NADDが最近注目を浴びているので,NADDの動向を展望することにする。
なお,NADDは表1のように分類されるので,以下この分類に従って述べることにする。
掲載誌情報