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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻3号

1999年03月発行

研究と報告

精神分裂病患者のpop-out現象についての検討

著者: 島崎正次1 蒲池弘実1 井上令一2

所属機関: 1順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院精神医学教室 2財団法人順天堂精神医学研究所

ページ範囲:P.247 - P.253

文献概要

【抄録】 視覚情報処理において,前注意的過程を反映するpop-out現象に着目し,分裂病者のその特徴について検討した。対象は分裂病者16名と健常者17名とした。分裂病者ではpop-out効果が減弱している群〔P(-)群:8例〕と健常者と同等な群〔P(+)群:8例〕に明瞭に分かれ,P(+)群に比しP(-)群ではSANSにおける情動平板化,情動鈍麻において有意に高得点であった。またpop-out現象を示すpresent条件における分裂病者全例の構成図形数と反応時間の近似直線の傾きと情動平板化,情動鈍麻の得点に正の相関を認めた。以上より,分裂病の陰性症状を生み出す障害とpop-out現象の障害つまりは前注意的過程を反映する視覚情報処理過程の障害との関連が推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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