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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻4号

1999年04月発行

研究と報告

分裂病様症状を呈したKlinefelter症候群3例の長期経過

著者: 糸川秀彰1 畑中史郎1 吉益文夫2

所属機関: 1社会保険紀南綜合病院新庄別館精神神経科 2和歌山県立医科大学神経精神科

ページ範囲:P.373 - P.380

文献概要

【抄録】 30年以上もの長期間,経過を追跡しえたKlinefelter症候群の3症例を報告した。うち1例は46,XY/47,XXYのモザイク型,精神遅滞を有し反応性の分裂病様症状にて入退院を繰り返すも,そのつど寛解し人格の解体を認めず,既報の報告にほぼ合致した。
 一方,他の2例(47,XXY型)では,幻覚妄想状態や精神運動興奮による入退院の経過中に,神や宇宙を題材にした誇大的な妄想内容が出現し,その体系化を認め,また同時期から,無為,自閉など分裂病様の人格水準の低下により,重度残遺状態に至った。この2例においては,比較的予後良好で人格荒廃は来さないという同症候群のこれまでの報告とは異なる経過を認めた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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