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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻4号

1999年04月発行

短報

人格変化や知能低下を呈し脳画像変化をみたCushing病の1例

著者: 山川百合子12 水上勝義3 鈴木利人3 佐々木恵美3 白石博康3 川西洋一4

所属機関: 1筑波大学附属病院精神神経科 2現,筑波東病院 3筑波大学臨床医学系精神医学 4医療法人有朋会栗田病院

ページ範囲:P.417 - P.420

文献概要

 Cushing症候群は血中コルチゾール高値により中心性肥満,満月様顔貌や紫紅色皮膚線条などを呈する内分泌疾患で,1932年cushingにより報告された3)。Cushing症候群には高頻度に精神症状が認められ2,6),抑うつ状態,躁状態,不安,焦燥,幻覚,妄想など多彩であり1),時に痴呆や人格変化を示す症例も報告されている8,9)。しかしながら,Cushing症候群でみられる痴呆や人格変化に対する脳の器質的背景については,これまでのところ報告も少なく,まだ定説をみるには至っていない。
 今回我々は,約6年間うつ状態を繰り返し,徐々に人格変化および知能低下が目立つようになったCushing症候群の症例で,MRI上軽度の前頭葉の萎縮が,SPECTで大脳皮質の血流低下が認められた1症例を経験したので,若干の考察を加え報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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