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短報
文献概要
母親殺害事件の取調べ中,特異な夢幻様状態(Oneiroides Erlebnis)に陥り入院となった精神分裂病患者の精神鑑定を経験した。夢幻様状態は,状態像としては分裂病より拘禁反応のそれを思わせるが,分裂病も,拘禁状況下では,拘禁着色(Haftfärbung)と呼ばれる病状の修飾が生じうる5)。Mayer-Grossにより提唱された夢幻様状態は,発症に強い情動が関与し,症状自体が防衛の意味を持つことが強調されてきた3,6)が,本例でもこれが防衛として機能していた可能性がある。この症例について若干の考察を加え報告した。
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