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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻4号

1999年04月発行

文献概要

短報

母親殺害事件を惹き起こし拘禁着色としての夢幻様状態を呈した精神分裂病の1例

著者: 須貝孝一1

所属機関: 1山形県立鶴岡病院

ページ範囲:P.429 - P.431

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 母親殺害事件の取調べ中,特異な夢幻様状態(Oneiroides Erlebnis)に陥り入院となった精神分裂病患者の精神鑑定を経験した。夢幻様状態は,状態像としては分裂病より拘禁反応のそれを思わせるが,分裂病も,拘禁状況下では,拘禁着色(Haftfärbung)と呼ばれる病状の修飾が生じうる5)。Mayer-Grossにより提唱された夢幻様状態は,発症に強い情動が関与し,症状自体が防衛の意味を持つことが強調されてきた3,6)が,本例でもこれが防衛として機能していた可能性がある。この症例について若干の考察を加え報告した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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