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雑誌詳細

文献概要

短報

抗がん剤使用後の予期性嘔吐に対してalprazolamが奏効した2症例

著者: 大西秀樹1 田中明子2 仲沢経夫2 平原史樹2 小阪憲司1

所属機関: 1横浜市立大学医学部精神医学教室 2横浜市立大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.433 - P.436

 がん患者はがんであるということで,種々の心理的な負担を負っている4)。心理的な負担を引き起こす要因は数多く認められるが,その中の1つとして化学療法がある。化学療法中には多くの患者が全身倦怠感,脱毛,悪心,嘔吐などを呈し,この結果として,後の治療法の選択に影響を及ぼすこともまれではない。
 化学療法中の悪心や嘔吐に対しては抗5-HT3剤の登場でコントロールが良好になってきているが,化学療法後かなりの時間が経過しても,化学療法に関連した事柄を想像しただけで悪心や嘔吐を示す症例が認められ,予期性嘔吐anticipatory vomiting1)などの名称で呼ばれている。治療法は確立しておらず,症状経過,薬物選択および治療法について,精神医学的な記載がほとんど認められていない。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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