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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻5号

1999年05月発行

研究と報告

精神分裂病患者の彩色樹木画の検討(第2報)

著者: 横田正夫1 伊藤菜穂子1 清水修2

所属機関: 1日本大学文理学部心理学研究室 2原病院

ページ範囲:P.469 - P.476

文献概要

【抄録】 精神分裂病患者の彩色樹木画の描画特徴による精神症状の判別の可能性を検討するために,研究1では全体的描画特徴,フランクフルト質問表による自覚症状,BPRSによる精神症状評価について因子分析した。その結果,写実性と陰性症状が1つの因子を構成した。そこで写実性に含まれる4項目によって陰性症状の判別を試みたところ全体の80.0%の判別が可能であった。次いで,研究2では,描画の要素の出現率を陰性症状の高低群間で比較した。36項目中3項目においてのみ出現率に有意な差が認められた。さらに,描画要素のまとまりを数量化III類によって検討したところ立体感と一線幹に関する2軸が描出されたが,それらのサンプルスコアには陰性症状の高低群間で有意な差は認められなかった。このように陰性症状の判別のためには写実性が重要と認められた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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