icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻5号

1999年05月発行

文献概要

研究と報告

皮質下核病変による発動性低下と傾眠を呈した4症例

著者: 水野貴史1 左光治3 岡村武彦1 豊田裕敬2 松村人志1 花岡忠人1 法橋明1 森本一成1 米田博1

所属機関: 1大阪医科大学神経精神医学教室 2大阪医科大学中央検査部 3左診療所

ページ範囲:P.513 - P.518

文献購入ページに移動
【抄録】 今回我々は,皮質下核病変により発動性低下と傾眠を呈した4症例を報告した。いずれも突発完成型の血管障害によるもので,見当識や記憶を含め明らかな神経心理学的異常や抑うつ気分は認めず,主たる症状は発症時より持続する発動性低下と傾眠傾向であった。頭部CTやMRIによる画像診断では,病変は視床内側部,尾状核頭部,淡蒼球,側坐核などの皮質下核に認められた。近年,前頭葉症候と類似の行動変化が皮質下病変でも観察され,前頭葉皮質下核回路の存在が注目されており,今回の4症例の呈した行動変化との関連が考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?