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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻5号

1999年05月発行

文献概要

研究と報告

MRIで大脳,小脳の萎縮を呈した若年アルコール依存症の1例

著者: 斎藤信太郎1 石原修2 大橋健二2 尾上正孝3

所属機関: 1山梨県立中央病院精神科 2山梨県立中央病院神経内科 3山梨県立中央病院放射線科

ページ範囲:P.519 - P.522

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【抄録】 MRIで大脳,小脳の萎縮を呈した30歳女性アルコール依存症の1例を報告した。アルコールせん妄状態では精神症状として不眠,小動物幻視,幻聴,体感幻覚様体験,せん妄があり,神経学検査では両手の振戦,躯幹失調,失調性歩行,衝動性眼球運動がみられた。失調性歩行や躯幹失調は断酒により24日後には改善したので一過性のものと判明した。MRIでは大脳皮質の萎縮があり,小脳では小脳虫部の山頂や山腹にシダの葉状に萎縮がみられたが,虫部の小舌や中心小葉などの虫部前部に萎縮がみられなかったのでアルコール小脳変性症とは診断できなかった。しかし,大脳,小脳萎縮はアルコールによって引き起こされたと考えている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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