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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻6号

1999年06月発行

文献概要

特集 治療抵抗性の精神障害とその対応

治療抵抗性の分裂病の薬物療法—現在投与中のclozapine使用経験も含めて

著者: 小林一広1 村崎光邦1

所属機関: 1北里大学医学部精神科

ページ範囲:P.579 - P.584

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はじめに
 1952年にchlorpromazineが精神分裂病に対する治療薬として登場し,今日に至るまで様々な抗精神病薬が世に送り出されてきた。しかし約半世紀経過した現在においても,その効果としての限界や,錐体外路症状,遅発性ジスキネジア,悪性症候群といった副作用の問題は完全に解決されるには至らない。実際我々の臨床の場において,種々の抗精神病薬を投与しても十分な薬効が得られない,もしくはそれらの副作用によって十分量の投薬が不可能となった状態の症例は数多く存在する。本稿ではその治療抵抗性分裂病(treatment-resistant schizophrenia)に対する薬物療法について,現在筆者が外来にて加療継続中のclozapine投与例を報告したうえで,セロトニン・ドーパミン阻害薬(serotonin-dopamine antagonist;SDA)から,多種受容体作用薬(multi-acting receptor targeted agent;MARTA)といわれる今後の薬物療法の中心になると思われる薬剤について解説したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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