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特集 治療抵抗性の精神障害とその対応
薬物療法が困難な老人性うつ病の治療
著者: 粟田主一1
所属機関: 1東北大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.607 - P.612
文献購入ページに移動老年期のうつ病には,抗うつ薬に対して抵抗性(resistance)を示すものや,低い耐容性(intolerance)のために十分な薬物療法の継続が困難となるものがあり,経過が遷延化し,治療が長期化する症例も少なくない。このような症例では,しばしば精神症状も重篤化し,薬物の副作用,身体疾患の合併,脱水や栄養障害による身体的衰弱,自殺の危険などによって,生命的な危急事態に陥る場合もある。
当科では,このような症例を地域医療機関より受け入れて,詳細な臨床評価と治療プランの再検討を行い,薬物療法の継続が困難な症例や,治療の緊急性が認められる症例には,修正電気けいれん療法(modified ECT;m-ECT)を実施している。
m-ECTの適応や具体的な治療過程についてはすでに論じている3)ので,ここでは,老年期うつ病の遷延化要因としての抗うつ薬抵抗性と低い耐容性の問題について言及し,薬物療法が困難な老年期うつ病に対するm-ECTの効果と当科における実施状況について報告した。
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