icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻6号

1999年06月発行

文献概要

特集 治療抵抗性の精神障害とその対応

薬物療法が困難な老人性うつ病の治療

著者: 粟田主一1

所属機関: 1東北大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.607 - P.612

文献購入ページに移動
はじめに
 老年期のうつ病には,抗うつ薬に対して抵抗性(resistance)を示すものや,低い耐容性(intolerance)のために十分な薬物療法の継続が困難となるものがあり,経過が遷延化し,治療が長期化する症例も少なくない。このような症例では,しばしば精神症状も重篤化し,薬物の副作用,身体疾患の合併,脱水や栄養障害による身体的衰弱,自殺の危険などによって,生命的な危急事態に陥る場合もある。
 当科では,このような症例を地域医療機関より受け入れて,詳細な臨床評価と治療プランの再検討を行い,薬物療法の継続が困難な症例や,治療の緊急性が認められる症例には,修正電気けいれん療法(modified ECT;m-ECT)を実施している。
 m-ECTの適応や具体的な治療過程についてはすでに論じている3)ので,ここでは,老年期うつ病の遷延化要因としての抗うつ薬抵抗性と低い耐容性の問題について言及し,薬物療法が困難な老年期うつ病に対するm-ECTの効果と当科における実施状況について報告した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら