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特別寄稿
「了解と説明」についての覚え書
著者: 諏訪望1
所属機関: 1北海道大学
ページ範囲:P.631 - P.634
文献購入ページに移動 本稿は,先般,埼玉医科大学退職に際して行った講演(1998年12月17日)の概要である。たまたま,最近発表した一連の論文をまとめた単行本「精神医学とともに60年―新たな展開への期待」(世論時報社)が発刊されたので,ここでは,その源泉となっているK. Jaspers(1883〜1969)の「了解と説明」について,できるだけ簡潔に総括的に解説しようと試みた。
Jaspersという名を初めて私に教えてくれたのは,実は,ある洋書店の主人であった。医学部2年生の頃,「精神病理学」という言葉を聞いて好奇心を抱き,何か適当な参考書でもあるかと思って東京本郷通りの何軒かの本屋を探したが見当らず,福本という洋書店で,そこの主人に尋ねてみた。その主人はなかなか権威のある人で,さっそく書棚から取り出してくれたのが,JaspersのAllgemeine Psychopathologie 第3版(1923)であった。一応購入して読んでみたが,もちろんさっぱり判らないので,放置したままであった。入局してから,それが精神科医としては必読の書であることを知ったわけである。
Jaspersという名を初めて私に教えてくれたのは,実は,ある洋書店の主人であった。医学部2年生の頃,「精神病理学」という言葉を聞いて好奇心を抱き,何か適当な参考書でもあるかと思って東京本郷通りの何軒かの本屋を探したが見当らず,福本という洋書店で,そこの主人に尋ねてみた。その主人はなかなか権威のある人で,さっそく書棚から取り出してくれたのが,JaspersのAllgemeine Psychopathologie 第3版(1923)であった。一応購入して読んでみたが,もちろんさっぱり判らないので,放置したままであった。入局してから,それが精神科医としては必読の書であることを知ったわけである。
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