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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻6号

1999年06月発行

研究と報告

病的悲嘆反応から精神科入院治療を要した老年期患者に関する検討

著者: 石井久敬1 徳永雄一郎2 川谷大治3 西園昌久1

所属機関: 1福岡大学医学部精神医学教室 2不知火病院 3川谷医院

ページ範囲:P.651 - P.655

文献概要

【抄録】 近親死から病的悲嘆反応を来し精神科を受診した老年期患者で精神科入院治療を要した重篤な者の臨床的特徴について,入院治療を要したもの(入院群)と外来治療のみだったもの(非入院群)とで比較しながら検討した。対象は1991年4月から1995年3月までに福岡大学病院精神神経科を受診した老年期患者で,病的悲嘆反応のもの31例である。診療録の遡及的調査を行い,以下のことが明らかとなった。入院群は非入院群に比し,急死された例が多い傾向にあり,死別から病的悲嘆反応を発症するまでの期間が長い,悲嘆の遅延反応型が有意に多く,幼少期における親との死別体験のあるものが有意に多かった。これらの老年期における病的悲嘆反応の経過に影響する因子の持つ意味について考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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