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雑誌詳細

文献概要

短報

摂食障害の軽快に引き続き精神分裂病を発症した1症例

著者: 山本晋12 松原良次3 工藤静華4 鈴木克治5 嶋中昭二6 設楽雅代1 小山司5

所属機関: 1市立札幌病院静療院 2現,三愛病院 3天使病院精神神経科 4中江病院 5北海道大学医学部精神医学教室 6市立室蘭総合病院精神科神経科

ページ範囲:P.743 - P.745

 摂食障害と精神分裂病との関係については,精神分裂病において奇妙な摂食パターンを示すことがあるが,逆に摂食障害と診断された後に精神分裂病が顕在化する症例は比較的稀とされている。我が国ではこれまで高柳ら6)以後いくつかの報告1〜5,7)があり,摂食障害の疾病論的位置づけや摂食障害と精神分裂病との関連についての研究が行われてきた。現在のところ統一された見解は得られていないが,両者が親和性ないし同一の発病基盤を持つ可能性は示唆されている。今回我々は当初神経性無食欲症の典型的な症状を呈し,7年後,急激に摂食障害が軽快し,その直後に精神分裂病症状が顕在化した1症例を経験した。本症例と過去の報告例とを比較検討し,若干の検討を加えて報告する。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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