研究と報告
一般者を対象とした精神分裂病に関する疾患教育プログラムの作成(第1報)—分裂病の1次・2次予防への寄与を目指すパンフレットの紹介
著者:
原田誠一1
岡崎祐士2
増井寛治3
高桑光俊4
佐々木司5
高橋象二郎6
飯田茂7
影山隆之8
所属機関:
1東京逓信病院精神科
2三重大学医学部精神神経科学教室
3東京都立墨東病院神経科
4成仁クリニック
5帝京大学溝口病院
6東京都立多摩総合精神保健福祉センター
7松風荘病院
8大分県立看護科学大学精神看護学
ページ範囲:P.811 - P.819
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【抄録】 筆者らは,分裂病に関する様々な情報を青年期の一般者に伝え,分裂病の1次・2次予防の実現に寄与することを目指して,精神分裂病に関する疾患教育プログラムを作成した。筆者らは,教材用のパンフレットを独自に作成して疾患教育を実践し始めた。パンフレットの表題は「心の病を予防するためのパンフレット-心の健康を守り育てるための9項目の説明」,9項目の内容は以下の通りである。(1)心の病について知っておく利点。(2)心の病とは?-代表的な心の病「分裂病」のアウトライン。(3)分裂病でよくみられる「空耳」について。(4)分裂病でよくみられる「空耳」の内容と影響力。(5)分裂病でよくみられる「勘ぐり」について。(6)分裂病が起こるきっかけになりやすい生活環境-ストレスによるピンチ。(7)ピンチに陥った時の上手な対応法-逆境の受け止め方,しのぎ方。(8)ピンチに陥らないために役立つこと-「転ばぬ先の杖」になりうる事柄。(9)心の病が出てきた時の対処法と精神科の治療の説明-利用できる社会資源の紹介。