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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻8号

1999年08月発行

研究と報告

摂食障害患者における完全主義傾向

著者: 田中秀樹1 永田利彦1 切池信夫1 河原田洋次郎1 松永寿人1 山上榮1

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.847 - P.853

文献概要

【抄録】 Frostらの作成したMultidimensional Perfectionism Scaleの邦訳版を作成し,神経性食思不振症(制限型)患者21例(AN-R群),神経性食思不振症(過食/排出型)患者21例(AN-BP群),神経性過食症(排出型)患者30例(BN-P群),健常対照者82名(C群)に施行した。“ミスへの過度のとらわれ”,“親からの高い期待”,“親からの批判”の3つの下位尺度ではBN-P群のほうが,従来,完全主義的と考えられてきたAN-R群より高得点であった。一方,“自身の高目標”の下位尺度では,摂食障害全般に病型にかかわりなく対照群より有意に高得点を示し,“整理整頓好き”の下位尺度では,過食の有無にかかわらず,神経性食思不振症群では高得点を示した。以上のように,完全主義を多次元的にとらえることによって,各病型ごとの特徴をより明確に把握できる可能性が示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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