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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻8号

1999年08月発行

文献概要

短報

電気けいれん療法が著効したせん妄の1例

著者: 北村秀明1

所属機関: 1国立療養所犀潟病院精神科

ページ範囲:P.871 - P.873

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 抗うつ薬と比較して電気けいれん療法(以下ECT)には,効果発現が早く,抗うつ薬に対する反応が不十分な一部の難治性うつ病に有効であり,循環器系へ影響が少ない,といった特徴があり,うつ病治療においてはなお重要な治療法の1つといえる。一方,躁病,悪性症候群,カタトニア,パーキンソニズムなど,単極性うつ病以外の精神神経障害に対しても,ECTは有効であるとする研究が蓄積している2)
 本研究は,たった1回のECTが,抗うつ薬によるせん妄を合併した単極性うつ病患者の抑うつ症状と意識障害の両方を速やかに改善したことを報告するものである。ECTにはその施行後に発生するもうろう状態などの副作用がある一方,せん妄に対する即効作用が報告されている5,6,8,9)。筆者が知るかぎり同様の症例はかつて報告されたことがなく,うつ病とせん妄の病態生理,ECTの作用機序の理解に新たな視座を与えるものと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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