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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻8号

1999年08月発行

文献概要

短報

横紋筋融解症が疑われ,代謝性アシドーシスを呈したシンナー中毒の2症例

著者: 竹林実12 津久江一郎2 前岡邦彦2 若宮真也3 加賀谷有行1 堀口淳1 山脇成人1

所属機関: 1広島大学医学部神経精神医学講座 2瀬野川病院 3竹原病院

ページ範囲:P.879 - P.882

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 シンナー依存症の患者はしばしば過量吸引により急性中毒に陥ることがあり,酩酊状態や幻覚・妄想状態などの精神症状が生じることはよく知られている8)。一般的にはシンナー中毒はその主成分がトルエンであるため,トルエン中毒として理解されることが多い4)。しかし,シンナー成分の50〜70%はトルエンであるが,トルエン以外にもメタノールやキシレンなどの種々の有機溶剤が含まれている。今回,我々はシンナー依存症の患者でシンナーの過量吸引により,精神症状と同時にメタノール中毒と思われる代謝性アシドーシスと,横紋筋融解症が疑われた2症例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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