文献詳細
文献概要
紹介
スペインにおける対人恐怖の1事例
著者: 角川雅樹12
所属機関: 1東海大学外国語教育センター 2東海大学外国語教育センター学生相談室
ページ範囲:P.891 - P.895
文献購入ページに移動はじめに
筆者は,臨床心理学とスペイン語学を専門とし,数年前よりスペインのサラマンカ大学で,メンタルヘルス岡本記念財団の援助により「森田療法セミナー」を実施,また,同大学客員教授として,医学部などで講義を担当している。
1998年3月に1か月ほど同地に滞在したおり,サラマンカ大学の学生に対するカウンセリングを依頼され,何例かを継続して診る機会があった。その時接した学生の中に,対人恐怖と目される女子学生がいて,特に関心を抱いた。滞在中,週に1回のペースで都合4回面接,現在もE-mailにて現地との連絡をとっており,次回のセミナーなどでサラマンカに出向くおり,再び接触する予定となっている。
近年,日本で伝統的に多くみられ,神経症の日本的特性として論じられることの多い対人恐怖が,DSM-IIIのSocial Phobiaとも関連し,日本以外の国々,特にヨーロッパやアメリカ,カナダ,中国や韓国においてもみられる,との報告2〜5,10)がなされてきている。
筆者はかねてから,メキシコやスペインなどのスペイン語圏でもみられるとの感触を持っているが,今回,日本で紹介するのに適切なケースに遭遇し,必要な資料も集めることができたので,以下にまとめてみた。
筆者は,臨床心理学とスペイン語学を専門とし,数年前よりスペインのサラマンカ大学で,メンタルヘルス岡本記念財団の援助により「森田療法セミナー」を実施,また,同大学客員教授として,医学部などで講義を担当している。
1998年3月に1か月ほど同地に滞在したおり,サラマンカ大学の学生に対するカウンセリングを依頼され,何例かを継続して診る機会があった。その時接した学生の中に,対人恐怖と目される女子学生がいて,特に関心を抱いた。滞在中,週に1回のペースで都合4回面接,現在もE-mailにて現地との連絡をとっており,次回のセミナーなどでサラマンカに出向くおり,再び接触する予定となっている。
近年,日本で伝統的に多くみられ,神経症の日本的特性として論じられることの多い対人恐怖が,DSM-IIIのSocial Phobiaとも関連し,日本以外の国々,特にヨーロッパやアメリカ,カナダ,中国や韓国においてもみられる,との報告2〜5,10)がなされてきている。
筆者はかねてから,メキシコやスペインなどのスペイン語圏でもみられるとの感触を持っているが,今回,日本で紹介するのに適切なケースに遭遇し,必要な資料も集めることができたので,以下にまとめてみた。
掲載誌情報