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「第21回日本生物学的精神医学会」印象記
著者: 大森哲郎1
所属機関: 1徳島大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.896 - P.897
文献購入ページに移動 第21回日本生物学的精神医学会は,1999年4月21日から23日まで,杜の都仙台において開催された。会長は東北大学医学部精神医学教室佐藤光源教授であり,学会基本テーマとして「精神疾患の発症脆弱性」が掲げられた。参加者は630名余りと学会史上でも2番目の盛会であったと聞く。
本大会では学会構成に非常な創意工夫が盛られ,これまで行われることの多かった会長講演と欧米研究者による特別講演は見合わされ,代わって従来は1つだけ組まれるシンポジウムが3つ組まれていた。3つのシンポジウムは,それぞれ精神分裂病,感情障害,覚醒剤精神病と別個の疾患を対象としていたが,それぞれの発症脆弱性という共通問題に関して,神経画像,臨床遺伝,精神病理,神経生理,分子生物などの様々な研究方法論からの最新の所見が紹介され討論された。そして,大会初日に開かれたいわば第4のシンポジウムである若手プレシンポジウムでは「精神医学への神経科学的アプローチ—遺伝子解析から高次脳機能評価まで」と題して,様々な研究方法論についてあらかじめ展望されているという仕組みとなっていた。このようにユニークな学会構成がとられたためか,いつにもまして内容の濃い学会であった。なお,大会基本テーマが,佐藤会長の多年にわたる卓越した業績と関連することは,本誌の読者には申すまでもないであろう。
本大会では学会構成に非常な創意工夫が盛られ,これまで行われることの多かった会長講演と欧米研究者による特別講演は見合わされ,代わって従来は1つだけ組まれるシンポジウムが3つ組まれていた。3つのシンポジウムは,それぞれ精神分裂病,感情障害,覚醒剤精神病と別個の疾患を対象としていたが,それぞれの発症脆弱性という共通問題に関して,神経画像,臨床遺伝,精神病理,神経生理,分子生物などの様々な研究方法論からの最新の所見が紹介され討論された。そして,大会初日に開かれたいわば第4のシンポジウムである若手プレシンポジウムでは「精神医学への神経科学的アプローチ—遺伝子解析から高次脳機能評価まで」と題して,様々な研究方法論についてあらかじめ展望されているという仕組みとなっていた。このようにユニークな学会構成がとられたためか,いつにもまして内容の濃い学会であった。なお,大会基本テーマが,佐藤会長の多年にわたる卓越した業績と関連することは,本誌の読者には申すまでもないであろう。
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