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精神分裂病のERPによる研究
著者: 古賀良彦1
所属機関: 1杏林大学医学部精神神経科学教室
ページ範囲:P.916 - P.928
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この小論のタイトルは,はじめは依頼されたとおり,「精神分裂病の電気生理学的研究」とするつもりであったが,少し考えて,標記のものに変更させていただくことにした。もちろん,筆者が事象関連電位(event-related potential;ERP)以外の電気生理学的研究についての知識をほとんど持ち合わせていないというのが最たる理山である。それとともに,精神分裂病の研究法として,電気生理学が以前ほど若い研究者の関心を集めていないという厳然たる事実があることも理由のひとつである。そこでここでは,過去の優れた研究を万遍なく取り上げてアンソロジーをものにするのではなく,現在,この分野ではもっともよく利用されている方法であるERPによる研究についてのみ述べることにした。ERPに関しては,すでにいくつもの優れた総説があり,筆者も折りにふれて解説を加えてきた24)。そこで今回は,研究の歴史については簡単に記しておくにとどめ,最近の報告の中で重要と考えられる研究についてのみ紹介し,それぞれに筆者のコメントをつけ加えることにした。ほとんどのものにはERP研究の新たなブレークスルーとなることを期待して評価したが,なかには率直な印象を述べたものもある。そのようなわけで,これはきわめて私的な観点からの展望となった。気鋭の研究者からの批判を望んでいる。
この小論のタイトルは,はじめは依頼されたとおり,「精神分裂病の電気生理学的研究」とするつもりであったが,少し考えて,標記のものに変更させていただくことにした。もちろん,筆者が事象関連電位(event-related potential;ERP)以外の電気生理学的研究についての知識をほとんど持ち合わせていないというのが最たる理山である。それとともに,精神分裂病の研究法として,電気生理学が以前ほど若い研究者の関心を集めていないという厳然たる事実があることも理由のひとつである。そこでここでは,過去の優れた研究を万遍なく取り上げてアンソロジーをものにするのではなく,現在,この分野ではもっともよく利用されている方法であるERPによる研究についてのみ述べることにした。ERPに関しては,すでにいくつもの優れた総説があり,筆者も折りにふれて解説を加えてきた24)。そこで今回は,研究の歴史については簡単に記しておくにとどめ,最近の報告の中で重要と考えられる研究についてのみ紹介し,それぞれに筆者のコメントをつけ加えることにした。ほとんどのものにはERP研究の新たなブレークスルーとなることを期待して評価したが,なかには率直な印象を述べたものもある。そのようなわけで,これはきわめて私的な観点からの展望となった。気鋭の研究者からの批判を望んでいる。
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