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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻9号

1999年09月発行

研究と報告

Rapid cyclerの臨床背景と治療戦略—同等の平均罹病期間を有するnon-rapid cycler症例との比較を中心に

著者: 鈴木克治1 久住一郎1 小山司1

所属機関: 1北海道大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.947 - P.957

文献概要

【抄録】 Rapid cycler(RC)13例を対象に,平均罹病期間のほぼ等しいnon-rapid cycler(NRC)13例と比較しながら,その臨床背景,治療戦略,転帰について調査した,RC群の平均初発年齢はNRC群に比較して有意に若年であった。甲状腺機能低下所見はRC群で有意に多く認められたが,リチウム(Li)服用時のみに甲状腺機能低下を認めた症例数には差がなかった。Li単剤が有効な症例はRC群には皆無であったが,他剤との併用で有効に使用されている症例は少なくなかった。RC群の効果的治療ではレボサイロキシン(T4)の使用頻度が高いほか,双極I型では抗うつ薬の中止とバルプロ酸の併用が,双極II型ではLiの増量,抗うつ薬の再開が有効と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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