文献詳細
研究と報告
衝動行為歴を有した強迫性障害患者の臨床特徴について
著者: 松永寿人1 宮田啓2 切池信夫1 松井徳造1 岩崎陽子1 藤本佳世1 箕西敦子1
所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室 2山西会津田病院
ページ範囲:P.959 - P.966
文献概要
80例のOCD患者のうち19(24%)例が何らかの衝動行為歴を有し,これらの患者では衝動行為歴を有さない患者に比して,発症年齢が有意に低く,分裂病型などのcluster Aの人格障害や境界性などのcluster Bの人格障害が有意に高率であった。またOCD症状の内容では,攻撃的および性的な強迫観念と確認強迫が高率の傾向であった。衝動行為歴の有無によるこれらの臨床像の相違は,衝動性の程度がOCDの亜型分類の基準となりえる可能性を示唆するものと考えた。
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