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文献詳細

雑誌文献

精神医学41巻9号

1999年09月発行

研究と報告

衝動行為歴を有した強迫性障害患者の臨床特徴について

著者: 松永寿人1 宮田啓2 切池信夫1 松井徳造1 岩崎陽子1 藤本佳世1 箕西敦子1

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室 2山西会津田病院

ページ範囲:P.959 - P.966

文献概要

【抄録】 Obsessive-Compulsive Disorder(OCD)と衝動性との関連について検討するために,OCD患者の自殺企図,自傷行為,万引き,器物破損,アルコールや薬物の乱用などの衝動行為歴について調査し,その有無で患者を二分して臨床症状や合併する人格障害などを比較した。
 80例のOCD患者のうち19(24%)例が何らかの衝動行為歴を有し,これらの患者では衝動行為歴を有さない患者に比して,発症年齢が有意に低く,分裂病型などのcluster Aの人格障害や境界性などのcluster Bの人格障害が有意に高率であった。またOCD症状の内容では,攻撃的および性的な強迫観念と確認強迫が高率の傾向であった。衝動行為歴の有無によるこれらの臨床像の相違は,衝動性の程度がOCDの亜型分類の基準となりえる可能性を示唆するものと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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